長崎四国八十八カ所霊場とは
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長崎四国八十八カ所霊場とは

 長崎四国八十八カ所霊場とは、昭和28年に寺町延命寺第22世祐演和尚が再創した霊場です。

 伝によれば、弘法大師が御年31歳の時、唐の国長安の都(現在の中国西安)にある青龍寺に真言密教のみ教えを授かりに行かれました。帰朝の後、福岡県太宰府近くの観世音寺に滞在中、肥前の各地を御巡錫された折りに、親しく接せられた弘法大師の逸話がいたる所に残されています。この様なことから人々は「お大師さま」と慕い、いろいろな所に小さなお堂を建てお祀りしているのです。

 真言宗寺院は他県にくらべ多いとはいえない長崎ですが、大師信仰は津々浦々まで浸透しているようです。この転々とした小さなお堂を結び、1つの霊場としたのが「長崎四国八十八カ所霊場」であります。

 霊場巡拝というのは、お大師さまが修行された地や縁の地を、その功徳を頂こうとするお遍路です。真言密教のみ教えは頭だけで考える宗教でがありません。特に、お大師さまがお示しになっていることは「体得することが大切だ」というみ教えです。まさに遍路は自身の身体を使って巡る修行であります。

 第1番からはじまる遍路の旅は、時に四苦八苦の人々に出会って己の人生は何たるかを知り、また難行の山でお大師さまのご加護を頂き、はたまた苦行の浦々で仏様にめぐり会うことができるのです。そして、最後の札所を参拝した後、その功徳に満ちた心は、いよいよ人徳を増していくでしょう。

 「長崎四国八十八カ所霊場」は「本四国八十八カ所霊場」の功徳を余すところなく受け取った霊場です。巡拝の間には数々の難所と言われるところもあります。歩き疲れた身体で各札所の暖かいお接待にあずかった時には、あたかも仏様に出会ったような安堵感さえおぼえます。

 あわただしい日々が続く今日、私たちが今暮らしているこの長崎の街で、何も考えず、何も気にせず、お大師さまとともに歩き「お遍路」という体験を通して「心のゆとり」をもって頂きたいと思います。「法悦歓喜」何ものにも代えがたい信仰の喜びを、是非ともご一緒に体験いたしましょう。